看護師として必要な資質

看護師として必要とされる能力や精神的な資質は、多岐にわたります。技術的にはやはり、採血などの日々の医療行為を確実にこなす能力は必要ですし、薬をきちんと管理して服薬させたり、医療について患者さんに指導やアドバイスを行うこともあり知識も必要です。医師の指示を理解することや他職種との連携を行うことも多いので、医療だけではく、周辺知識も幅広く持っておくべきです。しかし、これらの技術や知識は、勤めてしばらくしなければ身についてきません。とはいえ、技術や知識で及ばない駆け出しの看護師からベテランまで、求められる最も必要な資質があります。それは、病気で弱る患者の痛みや辛さに寄り添って支えようとする心なのです。

看護師は患者の最も近くで、看護業務と日々のお世話を行います。それを続けていくことも必要な資質ですが、時には限界を突きつけられる患者、治療そのものに疲れきる患者を支えられる心がどの看護師にも求められる資質です。不安を抱える患者を励ます際に、上辺の言葉ではしっかり心を癒やすことはできません。同じ目線に立ってケアにあたること、それこそが患者から必要とされる最も近くで働く医療スタッフの在り方なのです。さまざまな症状を持つ患者がおり、一人ひとりの背景があり、日々病気からくる症状や治療の苦労と戦っています。その痛み、苦しみに寄り添い、共に治療をしていくという心がけが、看護ケアには必要なのかもしれません。